この裁判の先には日本の未来がかかっていると思います 元衆議院議員 阪口直人
この裁判の先には日本の未来がかかっていると思います。 多様性を重んじ、異なる背景を持つ人々にも寛容な社会なのか、あるいは、複数国籍を認める世界の潮流から取り残され、様々な可能性を自ら放棄する日本になるのか。より明るい未来のためにも勝訴を勝ち取らなくてはなりません。
裁判の結果が、国民が理解し納得した上で複数国籍を認める日本に変える大きな一歩になって欲しいと思います。
蓮舫参議院議員が日本国籍を選択した時期に関する問題、またその後のメディア報道や一部の人々の言動により、複数国籍を持っている、あるいは持っていたこと自体が悪であるかのような社会の雰囲気が出来てしまったと感じている複数国籍の方々は数多くいます。
また、選挙を控える政治家はこの問題についてあえて積極的な発言をしないようになっています。まずはこの複数国籍の問題についてオープンな議論を行う国会になって欲しい。そのために今、超党派での勉強会の実施や、複数国籍を認める社会を目指す議員連盟の設立を働きかけています。裁判の行方は、おそらくこの流れを作る上で大きな影響をもたらすと考えています。
今、世界の多くの国は、複数国籍を持つことを認めています。 ところが、日本人として生まれた人であっても、海外での仕事や生活のため、外国の国籍を取得した人は、国籍法11条1項により、日本の国籍を奪われてしまいます。外国で可能性を追求するため、また、何とか社会でサバイバルするために外国籍を取得したという理由で、日本の国籍を、自動的に奪われることになるのです。
これは重大な人権侵害だと思います。これを止めるために立ち上がったのが原告の方々です。 そもそも、少子高齢化・人口減少が進む日本において、様々な利益をもたらす可能性を持った有能な人材が、もうひとつの国籍を選択しただけで日本国籍を失うのは、非常にもったいないことでもあります。
たとえば、ノーベル賞受賞者の中には自由な研究を進めたいがゆえに米国籍を選択している人が複数います。日本人の受賞として報道されていますが、実際には日本国籍を喪失しているのです。
また、記憶に新しいところでは、全米女子オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手は、父親がハイチ出身のアメリカ人、母親が日本人で、現時点ではアメリカと日本の国籍の二重国籍者ですが、日本人として全米オープンに出場、優勝しました。22歳になって彼女がどちらの国籍を選択したとしても、日本国籍を失うことにはなって欲しくないと私は思います。
裁判に勝訴して、より多くの人の居場所を確保できる日本に変える一歩にしましょう。