第三回口頭弁論期日報告
2019年1月22日(火曜日)
今回のテーマは、「国籍法11条1項はなぜ違憲無効か」です。
この期日では、前回提出した原告ら準備書面(1)をふまえて、憲法上の主張を行いました。それが、準備書面(2)から(5)です。そのうえで、準備書面(6)で、被告(国)の答弁書に対する反論を一つ一つ行いました。
準備書面(2)から(6)までのおおまかな内容は、以下のとおりです。
準備書面(2)
準備書面(3)から(6)の目次的書面です。
準備書面(3)
国籍法11条1項の立法目的について分析しました。
国籍法11条1項は本人の意思に反して日本国籍を失わせることに目的があり、国籍法の基本方針からずれていることを明らかにしました。
準備書面(4)
本人の意思に反する日本国籍剥奪は、憲法の諸原理、諸条項に反することを示しました。具体的には、
◎国民主権原理(憲法前文1項、1条)
◎ 基本的人権尊重原理(憲法前文、1項、11条、12条、13条、97条)
◎ 憲法22条2項「日本国籍を離脱しない自由」の保障
◎ 「個人の尊重」原理(憲法13条)
をとりあげて、分析しました。
その結果、国籍法11条1項は違憲無効となることを示しました。
準備書面(5)
国籍法11条1項が、平等原則(憲法14条1項)に反することを示しました。
外国国籍を志望しなくても付与される当然取得や、出生による複数国籍の場合などとの対比、日本国籍の離脱制度や選択制度が適用される場合との対比を行いました。
その結果、国籍法11条1項は自己の志望により外国国籍を取得した人を、他のケースの人々と合理的理由なく差別するもので違憲無効であることを示しました。
準備書面(6)
被告(国)の答弁書(訴状に対する書面)に書かれた内容への個別的な反論を行い、被告(国)にいくつかの点について求釈明を行いました。
■次回期日
次回(第四回)口頭弁論期日は、2019年5月9日(木)午前11時30分からです。
次回は、被告(国)から、原告らの準備書面(1)~(6)に対する反論が出る予定です。