第七回口頭弁論期日報告
2019年12月24日
原告ら訴訟代理人
弁護士 椎名 基晴
今回の期日で原告らは準備書面(15)の2を提出しますので、この準備書面における原告らの主張の要旨をご説明いたします。
なお、以下では準備書面(15)の2を「本件準備書面」といいます。
1 本件準備書面の目的は「説明の補充」
原告らは、日本国籍を離脱させられない自由と幸福追求権のそれぞれについて、原告らの準備書面(4)第5及び第6、準備書面(10)第2・2、準備書面(15)の中で論じてきました。また、原告ら準備書面(15)第4では、日本国籍を離脱させられない自由と幸福追求権との関係について説明しました。
本件準備書面の目的は、その関係についてさらに補充的に説明する、というものです。
2 本件準備書面の構成
次に本件準備書面の構成についてお伝えします。
(1)「第1」説明補充という目的
本件準備書面「第1」では、前述のとおり、本件準備書面の目的が原告らの従来の主張・説明を補充する点にあることを示しています。
(2)「第2」国籍離脱に関する自己決定権の保障
本件準備書面「第2」では、原告らの国籍離脱に関する自己決定権の保障が憲法13条の幸福追求権の必須の要素であることを示しています。
(3)「第3」憲法22条2項で保障の説明
続いて本件準備書面「第3」では、①憲法22条2項の根底に「日本国籍を離脱するか否かの選択」に関する自己決定権の保障という思想が存在すること、②国籍離脱の自由とは「離脱することの自由」だけにとどまらず「離脱するか否かの選択・決定の自由」であること、そして③憲法22条2項は国籍離脱に関する選択・決定について、原則として無制限に保障していること、を説明しています。
(4)「第4」憲法13条・同22条2項との適合性の検討
最後に本件準備書面「第4」では、国籍法11条1項が憲法13条・憲法22条2項に反しているか否かについて、複数の判断枠組みに基づいて検討しています。
そして本件準備書面全体の結論として、国籍法11条1項が憲法13条と憲法22条2項に反し違憲無効であることを示しています。
本件準備書面の概要は以上のとおりです。
ご清聴ありがとうございました。
以上
第七回口頭弁論期日 提出準備書面(PDF)