東京高裁 判決文

 2023年2月21日の東京高裁の判決文です(当事者目録は省略しています)。

 2月の東京高等裁判所での判決は、地裁で門前払いされた原告2名に門戸が開かれた点は画期的な勝利でした。居住国の国籍の取得要件を満たしているけれどもまだ外国国籍取得申請を行っていない世界中の日本国民に、「外国国籍を取得しても日本国籍を失わない地位にあることの確認」を求める訴訟の門戸を開く内容だからです。その前提には、日本国籍を失ってしまうことの重大性を裁判所が認めたことがあります。

 ただ、国籍法11条1項が合憲とされた点は地裁と同様で、1勝1敗の内容といえるものでした。

 それでも国籍法11条1項を合憲とすることの理論的な難しさはますます明らかになってきましたし、国籍法11条1項の問題に対する社会の認識も広がってきています。

(NHK政治マガジン「二重国籍」認めない判決 1審に続き訴え退ける 東京高裁)

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/96132.html

(朝日新聞(社説)国籍奪う規定 現実をふまえた検証を)

https://www.asahi.com/articles/DA3S15563533.html

 そのような中でいよいよ最高裁へ審理の場が進みます。高裁判決での”一歩前進”で弾みをつけて、裁判所と世論に迫っていきたいと考えています。

 最高裁をはじめ各地で戦われている国籍はく奪条項違憲訴訟に、ますますのご支援とご注目をくださいますよう、引き続きよろしくお願いいたします!!