最高裁判所(上告審)決定と 再審の訴状など

(2023年11月3日 01:23更新)

最高裁第一小法廷による棄却決定(2023年9月28日、同月29日送達により確定)

最高裁第一小法廷による棄却決定を受けて、再審の訴えを最高裁判所に提起しました。

再審の訴状(2023年10月26日提訴)

 (資料)2023年10月26日 再審提訴の記者会見事前配付資料

     2023年10月26日 記者会見用フリップ増補版

 (参考)裁判所法10条1項1号について、裁判所法逐条解説(上)(47〜51コマ。最高裁判所事務総局総務局 編『裁判所法逐条解説』上巻,法曹会,1967. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12278351 (参照 2023-10-29))

上告理由書などはこちらです。

再審の訴えとは?

 確定判決に重大な瑕疵があった場合に、裁判への信頼を保持するために、また当事者の権利保護のために、行える異議申し立ての手続きです(民事訴訟法338条以下)。

 確定判決の取り消しと再審査が、再審の目的となります。

 再審の理由として認められるのは、民事訴訟法338条1項に挙げられたものに限られます。

 再審理由がある判決をした裁判所の管轄となります。今回は最高裁判所の管轄です。

 最高裁判所が内部でどのような手続きをとるのかは情報が少なく、不明です。棄却決定をしたときと同じように、行政調査官室が原案を作成すると思われますし、同じ小法廷で判断するのかもしれません。公開の法廷では何も行われない「決定」という手続ですので(民事訴訟法345条))、迅速にこっそり、却下や棄却の決定がされてしまうかもしれません。

 いずれにせよ公正な判断がなされるよう、世界中から最高裁の内部プロセスに注目が集まることを期待しています

(続報)2023年10月25日最高裁大法廷違憲決定との対比表(暫定)

 2023年10月25日、最高裁判所第一小法廷の裁判官5名も含まれる最高裁大法廷が、素晴らしい違憲決定を下しました!

 しかし、その判断枠組みを使うと、対比表(暫定版)のとおり、国籍法11条1項も違憲となるのが自然なように思えます。  

(対比表(暫定版)圧縮版弁護士仲晃生作成

 同じ時期、同じ最高裁の第一小法廷は、国籍はく奪条項違憲訴訟の上告を、究極の三行半判決で棄却しました。不思議に思えます。

週刊NY生活「性同一性障害者の手術強制は違憲、国籍はく奪法は合憲」(藤田幸久さん、2023年11月1日)

)★

 ベンゴシナカの言いたい放題独り言エックス

最高裁の判断過程について

 最高裁第一小法廷が棄却決定をする際に、参考または基礎とされた調査官の調査報告書。

 その内容を知るために弁護団は訴訟記録の謄写請求と司法行政文書の開示申立てをしています。

 訴訟記録(事件記録)の謄写は2023年10月27日に完了しましたが、調査報告書は含まれていませんでした。

審議の流れ
行政調査官室が報告書を作成し、
主席調査官がチェックして、
判決案とともに小法廷へ上げる。
結論のはっきりしている事件は、小法廷で持ち回りで審議。
結論の難しい事件は、小法廷での審議。
『日本司法の逆説 最高裁判所の「裁判しない裁判官」たち」』80〜81頁(西川伸一、2005年)等を参考に弁護士仲晃生作成

 それでは調査報告書は司法行政文書に含まれているのか。含まれているとすれば開示されるのか。含まれていないとすれば調査報告書とはいったいどういう扱いの文書なのか。

 手続きの進展にご注目ください。